広告内容と異なる理由で採用を断わらない
〜(株)アビリティ・キューCSR室より~

「広告には『未経験者歓迎』と書いてあったので応募した。電話で『未経験ですが大丈夫でしょうか?』と聞き、大丈夫だと言われたので面接に行った。1週間後に採否の連絡が来たが、『未経験だから』という理由で不採用になった。デタラメな広告を出すな!電話の対応もいい加減だ! わざわざ時間とお金をかけて面接に行って、大損害だ!!」

「勤務時間に『9:00~18:00で時間相談に応ず』 と書いてあった。面接で、9:00~18:00の間、どの時間でも勤務できることを伝えた。面接の後に不採用の連絡が来たが、『時間帯が合わない』と言われた。広告に書いてある時間はできると伝えたのに、『時間帯が合わない』ってどういうことだ!こんないい加減な会社は二度と載せるな!!」

広告内容と異なる理由で断ればトラブルになる

読者から上記のような苦情を受けて事実確認すると、広告に誤りはなく、内容は正しいことが分かります。応募者を選考する限り、採用される人がいる一方、何らかの理由によって不採用になる人はいますが、不採用者にその旨を連絡する際、広告内容と異なる理由で断れば、上記のようなトラブルになってしまいます。

嘘の理由で断ることに何のメリットもない

「採否連絡がない」というクレームが多発している昨今、不採用者に連絡していただけることは大変ありがたいことですが、募集資格や労働条件など、広告内容と異なる理由で断れば、「虚偽広告を掲載していた」ということになってしまいます。その場を上手く取り繕うという思いで発した口実は、虚偽広告(職業安定法違反)を掲載していたことを認めることと同じですから、当然、トラブルへと発展してしまいます。もちろん口実なので、実際には虚偽広告とは言えませんが、虚偽広告ではないとなれば、今度は、会社が嘘を付いたことを認めることになってしまい、結局トラブルは避けられません。「広告内容と異なる理由」という嘘は、付き通しても、認めても、何のメリットもありません。「もう採用が決まった」「今は募集していない」という理由も同様です。

不採用の理由を告げる場合は主観にならないように

ある調査によれば、不採用者に理由を伝えている事業主は10%程度のようです。不採用の理由を伝える義務も課せられてはいません。不採用の理由を伝えるのか否かは、会社の方針によりますが、嘘の理由で断るのだけは止めましょう。不採用と判断したのには何らかの原因があると思いますが、例えば、印象やフィーリング、態度などは、採用担当者の主観であり、客観性がありませんので、「使いにくそう」「態度が悪い」などのような主観的な理由で断るのは、人権を侵害する恐れがありますから注意しましょう。不採用の理由を伝える場合には、応募者の人権に十分配慮し、採用担当者の主観にならないように気をつけてください。不採用になった理由を告げるよりも、採用者の決め手となったポイントを紹介するのも得策かもしれません。