内定を安易に出してはいけない
〜(株)アビリティ・キューCSR室より

「面接で担当者から具体的な仕事の話があり、『○月×日から働いて欲しい』と言われた。第一志望の会社だったため、他に内定の出た会社はすべて断わった。初出社の前日夜に電話があって、『予定していた仕事がなくなった』という理由で、『この話はなかったことにしてください』と言われた」

「面接の結果、採用が決まった。後日電話があって、契約した勤務時間以外の時間帯もできるか確認された。子どもが小さく、面接でも希望した時間以外はできないと伝えてあったが、『他の人は皆出ている。出られないなら来なくていい』と言われた」

内定を取り消された求職者は絶望する

内定が決まった求職者は、前の会社を退職したり、他に応募していた会社を辞退したりと、新しい会社への入社を準備します。公共の交通機関で通勤する人は、定期券を購入することもあるでしょう。新しい職場や、新しい生活をイメージして、希望に満ちた思いでいる中、突然、内定が取消しになったら…。目の前が真っ暗になり、途方に暮れてしまうのも当然。怒りがこみ上げ、その怒りの矛先は、自然に広告主・事業主へ向かってしまいます。

内定の取消しは解雇に等しい

内定は、始期付解約権留保付労働契約と呼ばれる労働契約の一種。広告主・事業主が、口頭または文書等で採用の意志を伝え、応募者が受諾すれば成立します。判例でもある通り、内定の取消しは『解雇』に等しく、労働基準法上の制約を受けることになっています。したがって、解雇と同様に、正当な理由なく内定を取消すことはできません。正当な理由もなく安易に内定を取消した場合は、内定を取消された本人から、損害賠償を請求されることも考えられます。例え、相手から請求がなくても、解雇と同様に相当な補償が必要になるものだということを認識しておきましょう。仮に正当な理由があった場合でも、解雇と同様であれば、解雇予告手当の支給が必要であることは言うまでもありません。いずれにしても、広告主・事業主には、誠意ある対応が必要不可欠となります。

パート・アルバイトも同様

大切なことは、安易に内定を出さないことです。面接の途中で採用をほのめかしたり、採用者が決まったにも関わらず「もっといい人がいるんじゃないか」と採用活動を続けたりすることは、トラブルの原因になってしまいます。内定は、雇用契約(労働契約)が成立しているということや、内定を取消すことは解雇に等しいということを念頭に入れて、慎重に対応することを心がけましょう。また、内定に、正規社員も非正規社員も関係ありません。「パート・アルバイトだから」と内定について安易に考えるのは、非常に危険ですので、ご注意ください。