契約内容の変更には合意が必要!
〜(株)アビリティ・キューCSR室より

「広告には正社員の募集で『月給20万円』と書いてあった。最初の3カ月は、課せられたノルマを達成していたので、なんとか20万円にはなっていた。ノルマを達成しない場合は、日給5,000円と言われていた。3カ月経ったら、『本採用だ』と言われて、勝手に『完全歩合制』に変えられた。広告と全然違うじゃないか!」(ケース1)

「広告の通り、週5日の1日8時間の条件で雇用契約を交わした。最初の2週間は、広告や契約の通り週5日働いていたが、年配の私だけ『午後は仕事がないから帰っていい』、『毎日来なくていい』と言われるようになり、今では、週2日の半日だけの勤務になった。『仕事がない』と言いながら、求人募集はしており、若い人は積極的に採用している」(ケース2)

不利益変更によるトラブルが多発

広告と事実が異なっていても働く意欲を持ち続けていた労働者が、結局は、それが原因で退職を余儀なくされて、上記のような苦情になるケースは珍しくありません。昨今の雇用情勢を反映してか、広告内容や雇用契約と異なる条件でも、採用され、雇用契約が続いている限りは、我慢して働く人が増えているようです。

労働条件の変更は労使の合意が原則

2008年3月1日に施行された労働契約法では、「労働者及び使用者は、その合意により、労働契約の内容である労働条件を変更することができる(同法第8条)」と定め、労働条件の変更は、労使の合意が原則となりました。また、就業規則自体を変更する場合にも、正式な手続きがなく、一方的で、かつ、労働者に不利益を与えるような内容の変更は認められていません。
業績の悪化や労働者の能力に問題があるなど、労働契約の変更がやむを得ないような場合であっても、労働者と使用者は対等であることは大前提として、双方で十分に話し合い、お互いが納得し、合意して変更することが必要です。

勝手に変えるような会社に人材は集まらない

苦情例のように、一方的で、かつ、正当な理由がなく、契約内容を勝手に変更することは言語道断で、絶対にやってはいけません。変更の対象となった労働者はもちろん、他の従業員に対しても悪い印象を与え、雇用の確保が難しくなるのは必至。『労使対等』、このことを常に念頭に入れ、雇用契約を交わしましょう。
なお、ケース1は正確には、『労働条件の変更』どころか、雇用者から個人事業主へと180度身分が変更されるもので、解雇手続きに加え、事業主同士が交わす業務委託契約が必要になり、それこそ勝手に行えるものではありません。また、ケース2のように、会社の都合で休みにする場合は、休業手当の対象になるのでご注意ください。