『退職』の裏に職場の問題点が潜んでいる
〜(株)アビリティ・キューCSR室より

「1年前に応募して入社した。今は辞めて他の会社で働いている。その時に見た広告も、今週出ている広告も同じ内容だった。広告には、『9:00~17:00』と書いてあったが、毎日夜の11時まで働かされた。先輩たちに、『仕事もできないのに早く帰られるわけないだろ!』と言われたからだ。その上、残業代も払ってくれない。広告の内容がデタラメで、残業代を払わないような違法な会社を、もう載せるな!これ以上、被害者を増やすな!!」

入社を辞退した人や退職した人からの苦情は多い

「広告がデタラメだ!」「給与が全然違うじゃないか!」「社会保険なんて入れないぞ!」などと苦情や相談を寄せる読者の中には、応募者ではなく、入社を辞退した人や、以前働いていて辞めたという人が多くいます。広告の内容が事実と異なる場合や、社会保険が適正に加入されていない、残業代が支払われていないなど、法的に問題がある場合は、広告の改善や法律の遵守といった方法で解決しなければなりませんが、中には、読者側の認識が不足しているだけで、広告上あるいは法律上は、何ら問題がない場合もあります

「広告と事実が異なる」は表面的な問題だ

入社を辞退した人や退職した人からの苦情・相談は、広告や法律といった問題を入口に寄せられますが、「広告と事実が異なる」という主張は表面的な問題で、その背景には、人間関係に関する不満など、会社に対しての怒り・憎しみ・恨みといった感情が強くあるようです。そのため、多くの人から決まり文句のように、「そんないい加減な会社を載せるな!」「違法な会社を載せていいのか!」というフレーズを聞かされます。職場に不満を持ちながら去ってゆく従業員たちは、時間が経過しても、その不満という火種は燻り続け、やがて、その会社の求人広告を見た時に、クレームという形で爆発させているのです。「広告と事実が異なる」と主張しながら、実は会社の存在自体が気に入らない、その会社が平然と求人広告を掲載していることが気に入らないのです。

従業員の声に耳を傾ける体制が必要

応募人数が多くても採用が決まらない、あるいは採用しても直ぐに辞めてしまうなど、なかなか人材が定着しないという場合は、応募者への対応や、新入社員への対応、そして職場の人間関係などに何らかの問題が潜んでいる可能性が十分に考えられます。
いじめ・セクハラ・パワハラなどの問題は、あまり表面化することがありません。従業員が人間関係などに不満を抱いた場合に、それが正当か否かは別として、その不満の声に耳を傾ける体制は必要です。相談窓口があることは、それだけで抑止力になります。
なぜ内定者は入社しなかったのか、なぜ従業員は辞めてしまったのか。彼らの声を一度聞いてみてはどうでしょうか。そこから、職場環境の改善が始まります。本音を言ってもらえない場合には、本音が言えないという職場環境を見直しましょう。