面接は適性をじっくりと見極める場
〜(株)アビリティ・キューCSR室より

「パート事務員の募集に『未経験者歓迎』と書いてあったので応募の電話をした。広告には、『女性活躍中』とは表記されていたが、『女性歓迎』ではなかったので、男性の私でも大丈夫だと思った。電話口でなぜか事務の経験があるのか質問されたので、未経験者だと伝えると、『経験者のみの募集』だと言われた。経験者のみの募集なら『未経験者歓迎』と書くのはおかしいのでは?」
「広告には、(1)9時~12時、(2)13時~17時、(3)9時~17時の3つの時間帯が表記されていた。面接で、どの時間帯でも勤務可能であることを伝えた。後日、不採用の連絡があったが、時間帯が合わない』と言われた。どの時間帯でもできるって言っているのに、『合わない』って一体どういうことだ!デタラメな広告を出すな!!」

納得しない応募者に対して苦し紛れに…

上記のような「広告と事実が異なる」という苦情を受けた場合は、広告主・事業主に事実確認を行っていますが、事実確認の結果、広告は事実にもとづいた内容(指摘された箇所は間違いではない)になっているものの、不採用を告げるにあたって、広告と異なる内容を口実に使ってしまったということが驚くほど多くあります。
雇用情勢が悪い昨今、なかなか採用が決まらない求職者などは特に、不採用になった理由を執拗に聞き出そうとします。ぜんぜん納得しない応募者に、つい口から出まかせを言ってしまった結果が上記のようなトラブルになってしまったのでしょう。

応募者も選んでいるということを忘れてはならない

面接は、広告主・事業主が選考・採用のために行っているものです。しかし同時に、応募者も広告主・事業主を選んでいるということを忘れてはいけません。広告主・事業主と応募者が対等であることは最低限の常識として、それ以上に、本人やその家族、知人などが、取引先やお客様である可能性は十二分にあり、応募者をお客様だと思って臨むに越したことはありません。応募者をお客様だと思えば、面接でどのような態度・対応がトラブルになるのか、自ずと答えが見つかるのではないでしょうか。

嘘の理由で断わることに何のメリットもない

ある調査によると、不採用者に理由を伝えているという広告主・事業主の割合は1割程度でした。つまり、ほとんどの企業では、不採用の理由を告げてはいません。不採用の理由を伝えるのか否かは会社の方針によりますが、嘘の理由で断ることはトラブルの原因にしかならないことはご理解ください。なお、法律などで、不採用の理由を伝えなくてはらないという義務もありません。応募者の中には、「面接もしないで電話だけで不採用になった!」と主張する人も多いのですが、採用権は広告主・事業主にあり、電話での態度や言葉使いを見て、不採用と判断しても何ら問題はありません。

電話の段階で不採用にしても、また不採用の理由を告げなくても、何ら問題がないにも関わらず、応募資格や労働条件などで、広告と異なる理由で断れば、『虚偽広告を掲載していた』ということで逆に問題になってしまいます。もちろん、断わるための口実なので、本当は虚偽広告ではありませんが、後から虚偽広告ではないことを主張すれば、『不採用の理由に堂々と嘘を付いた』ことを認める結果になってしまいます。広告内容と異なる理由で断わるということは、結局、どっちに転んでもトラブルになり、また、その責任はすべて広告主・事業主に発生し、
何のメリットもないということをご理解ください。

担当者任せにしないで会社の方針を

まずは、不採用者に理由を伝えるのかどうかを会社の方針として決め、理由を伝える場合には、広告の内容と異ならないように、また、応募者の人権に十分配慮し、採用担当者の主観(感想)にならないように気をつけて、不採用の理由を伝えるようにしましょう。
広告と異なる理由で断わるというほかに、「もう採用が決まった」などと言って断わるケースも多いようですが、そのような嘘で断わっても、引き続き募集をしていれば、やはりトラブルに発展してしまいますのでご注意ください。