中小企業で働くヒトの給料はどのように決まっているか。ほとんどは会社の一存です。それでは会社はどのようにして給料を決めているか。そうです。「なんとなく」です。もちろん社長が他社と情報交換をしたり、私のような専門家の意見を聞いたりして、いわゆる「世間相場」を見計らい、安すぎず高すぎず、絶妙な金額を設定してはいます。それではなぜ、あえて「給与制度」を導入する必要があるのでしょうか。ひとつには「基準」が欲しいからです。

 「年齢」、「経験」、「能力」、「実績」など、社長なりの評価基準で決めた「差」を給料という形で表さないといけません。

 しかし、営業成績がどのくらいよかったら、いくら昇給するのか、中途採用の給料額は何を基準にして決めるのか。その都度社長の思いだけで決めてしまうと、社員が増えるにしたがって矛盾が生じてくるのは避けられません。制度を導入し、あらかじめ基準となる金額を決めておけば、不公平は生じずトラブルは避けられます。

 さらに大事なことは、ある程度金額を明確にすることで社員が将来設計を立てられ、結果として社員の定着率が上がる効果が期待できます。有能な人材にできるだけ長く働いてもらうためには、この会社で長く勤めたら家が建てられる、家族が養える、といった安心を与えることは決定的に重要です。

 もうひとつ大事なことがあります。ほとんどの会社では、労働時間と仕事の成果をいっしょにして考えます。が、1日8時間、週40時間を超えれば、成果は関係なく原則として時間外手当が発生します。ただ長時間仕事をしているだけの社員にも時間外手当は必要だし、払わなければ労働基準法違反となります。しかし、給与規程で時間外手当について一定の記述をしておけば、法律違反のリスクを減らすことが可能になります。

 私たち社会保険労務士は、給与制度の導入を通じて社員のモチベーションを高め、労務管理上のリスクを減らすお手伝いをします。

いのしし社会保険労務士事務所

所長 中村雅和(社会保険労務士、ファイナンシャルプランナー)

中小企業の労務顧問を中心に、就業規則の作成、労働相談、助成金の申請代行などが主な業務。行政や大学での講演、業界紙などでの執筆も積極的におこなっている。所長へのお問い合わせは下記までどうぞ!

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