会社に長く勤め、定年になったら会社から「長い間、お疲れ様でした」といってもらえるお金がありますね。それがいわゆる「退職金」です。退職金は、一時的に多額の資金が必要となるため、ほとんどの企業は、事前に積み立てたり、いろんな退職資金の積立制度に加入したりしているようです。

 従業員向けの退職金積立には、

(1)中小企業退職金共済(中退共)制度
(2)生命保険の解約(満期)返戻金を活用

などがあります。中退共のメリットは何といっても全額損金計上が可能というところですが、それ以外にも、掛金の一部を国が助成したり、決められた金額が決められた通りに従業員に支払われるので分かりやすいということなどがあります。逆に、運用次第で退職金額が変更されることもありますし、退職事由によって、退職金額を変更できないというデメリットもよく指摘されているようです。

 生命保険については、特にガン保険がよく活用されるようです。税法上のメリットが他の保険より大きいということですが、税通達は頻繁に変更されるので、そこは注意が必要です。

 経営者向けの退職金も関心の高いところですが、

(1)小規模企業共済制度
(2)生命保険の解約(満期)返戻金の活用

などがあります。小規模企業共済は、会社の損金扱いはできませんが、個人の所得税で全額控除が可能です。生命保険は、もし経営が悪化した時の資金として活用することも可能ですので、融通は利きますね。

 さて、私も顧問先の企業から退職金制度についてよく聞かれます。ほとんどの方が積立方法については関心が高いのですが、規程の整備については後回しとなるようです。実際、支払うお金もないのに制度を整えるのは本末転倒ですが、会社に貢献した社員に対し、退職時にその労をねぎらうための金額をどのくらいに設定するか、というのは、とても大切なことです。要は、会社に合う退職金規程をどう整備するか、なのではないでしょうか。

いのしし社会保険労務士事務所

所長 中村雅和(社会保険労務士、ファイナンシャルプランナー)

中小企業の労務顧問を中心に、就業規則の作成、労働相談、助成金の申請代行などが主な業務。行政や大学での講演、業界紙などでの執筆も積極的におこなっている。所長へのお問い合わせは下記までどうぞ!

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