社員が過労で自殺、遺族が会社を訴えて億単位の損害賠償が認められることも珍しくなくなってきました。

 自殺者が10年以上、3万人を超えているのは周知のことですが、労働災害に関する「ハインリッヒの法則」によると、「重傷」以上の災害が1件あったら、その背後には、29件の「軽傷」を伴う災害が起こり、300件もの「ヒヤリ・ハット」した(危うく大惨事になる)傷害のない災害が起きているとされています。それを3万人の自殺者に当てはめれば、その背後に87万人の自殺予備軍と900万人のリスク保持者がいると考えても不思議ではありません。あなたの会社で、いつ、こうしたメンタルリスクが表面化しても、全然おかしくないのです。

 メンタル疾患を発症する仕事上の原因はいくつかありますが、(1)長時間労働、(2)過酷なノルマ、(3)セクハラ、パワハラなどの人間関係、などが主だったところです。

 そこで対策ですが、セクハラなどについては、就業規則で懲戒規定を強化し、一定の抑止効果を得ることができるでしょう。また管理職などを対象に研修を実施し、意識啓発を図ることも重要です。

 長時間労働や過酷なノルマについては、会社側に何らかの配慮をすることが求められます。月45時間以上の残業が長く続くと、脳や心臓疾患の発症リスクが増しますので、月45時間を下回るように努めます。また月80時間を超える労働者には、産業医などの保健指導を受けさせることも必要です。さらに福利厚生の一環として、外部組織を活用した相談窓口の設置なども効果的です。24時間電話相談やカウンセリングを専門に行う業者もあって、一定規模以上の企業を中心に、メンタルヘルス対策を外注することも増えてきています。

 あなたの会社もこうした取り組みでリスクを減らし、業績アップにつなげましょう。安全な職場の確保は会社に課せられた義務です。社会保険労務士はメンタルヘルスへの対応も行っています。

いのしし社会保険労務士事務所

所長 中村雅和(社会保険労務士、ファイナンシャルプランナー)

中小企業の労務顧問を中心に、就業規則の作成、労働相談、助成金の申請代行などが主な業務。行政や大学での講演、業界紙などでの執筆も積極的におこなっている。所長へのお問い合わせは下記までどうぞ!

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