中小企業の社長さん。自ら工場で作業したり、車で走りまわったりは当然のことでしょう。従業員だから、社長だからといっている暇があったら、とにかく仕事をこなしていかないと明日がない。毎日汗水たらして働いて、資金繰りやら納期やら色んなリスクを背負っていますが、そこはやっぱり「自己責任」の世界。従業員は法律上「労働者」として労働基準法以下、たくさんの保護があります。労働時間しかり災害補償しかり、失業したって雇用保険というそれなりに強い味方がセーフティネットとして整備されています。ところが中小企業の社長さんは、基本的にはどーにもならない、というのが日本の社会なのでした。

 しかし、こと「仕事中の怪我・病気」に関して言えば、従業員と同様の仕事をしていれば、社長にだって同じ確率で発生するのは、ある意味当たり前。社長に不慮の事故があれば、会社の経営のみならず、社長自身の家計にも大きく影響するのは避けられません。

 政府は、事業主の持つそうしたリスクについては、従業員と同じだ、と解釈。通常は従業員しか加入できない労災保険について「特別加入」という仕組みを設け、対応しています。特別加入には、労働者を1人でも雇っている会社向けの「中小事業主等」、個人で請負などの仕事をしている「一人親方等」、そして労災保険が適用されない海外への出張者向け「海外派遣者」の3種類があります。
 常時300人(金融業、保険業、不動産業、小売業が50人、卸売業、サービス業は100人)以下の労働者を使用する事業の事業主で、労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託した場合に、中小事業主等としての加入資格が生まれます。

 具体的には、地元商工会等や社会保険労務士事務所に併設されている事務組合に加入する方法や、顧問の社会保険労務士を経由して加入する方法などがあります。事業主の持つリスクを少しでも減らしたい方は、お近くの社労士までご相談ください。

いのしし社会保険労務士事務所

所長 中村雅和(社会保険労務士、ファイナンシャルプランナー)

中小企業の労務顧問を中心に、就業規則の作成、労働相談、助成金の申請代行などが主な業務。行政や大学での講演、業界紙などでの執筆も積極的におこなっている。所長へのお問い合わせは下記までどうぞ!

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